診療の流れ

1.診察申し込み

当院は完全予約制です。
受診を希望される場合は、Clinica E.T.EASTのホームページにあるメールアドレスへ申し込みいただくか、
月曜日から金曜日の診療時間に直接お電話ください。

2.初診まで

当院では、初診の際に、現在おかかりの医療機関からの診療情報提供書と直近の画像データ(CD-ROM)をお持ちいただくようお願いしております。
当院が自由診療のクリニックということで、主治医の先生へ依頼することが難しい場合や、診療情報提供書を書いていただくことができない場合があるようです。
そのような時には参考になる資料などをお持ちいただければ、ご相談することも可能ですし、希望されれば直近の画像(全身の拡散強調MRI画像)をあらかじめ予約検査してその結果をもとに初診を行うことも可能です。
当日は資料の他、生年月日の記載されている身分証明書を一部お持ちください。

また、遠方の患者様であらかじめお電話での相談を希望される場合は、資料をご郵送いただき画像等のデータを確認後、お電話にて治療についてご説明いたします。

初診料または初回相談料 10,000円
画像診断料 5,000円
(別途消費税が加算されます)

3.診察室にて 1st Meeting

初めてお会いし相談をするので、どなたも不安や緊張があると思います。
落ち着いて話ができるだろうか?大事なことが聞けないのでは?
すこしでもリラックスして普段どおりにお話しいただくよう、ご家族はもとより、お友達や時には患者さんが信頼されている医師や医療コーディネーターの方などもMeetingに参加されたりしています。
またMeetingの内容を録音して、あとでじっくり確認したいと希望される方もおられます。

治療をうけられる患者さんやご家族と治療者が、症状について共に正しく理解することが診療を開始する上で、最も大切と考えております。そのため、診察前にあらかじめお持ちいただいた診療情報や画像情報など、当方が把握しております知見について、実際に画像所見などのポイントを、わかりやすく示しつつご覧いただき説明すると、「初めて自分の病巣をじかに確認できて良くわかった」とおっしゃることがよくあります。
また、最近は検査された病理標本の遺伝子検査結果を持参されることも多くなってきました。これらについても採取された時点の変異遺伝子、増幅遺伝子について、がん細胞のシグナル図を示しながら、疾病の特徴について正しく理解していただくようにしています。
遺伝子変異にもとづき、最近はいろんながんをサブタイプにわけて考えることが多くなりました。これらの特徴を見出すことで、有効な治療を引き出すきっかけになることが多いからです。
もちろんこれらの遺伝子変異のしめす特徴は、治療とともに刻々と変化するため、必要と考えられる場合には、血液や、胸水、腹水などをもちいたリアルタイムの遺伝子検査をお勧めする場合もあります。
このようにご自分の病状について、正しく理解していただいた後、次に大切なことは患者さんご本人が、病気の治療をどう望まれてるかを正しく共に理解することになります。
その考え方や信念を正しく共に知ることがご本人にもご家族にも、医療者にも欠かせません。初回のMeetingでこの点について十分理解しあうことは困難でしょうが、それをいつも考える契機をつくることは大切です。
それにくわえて患者さんの背景を知ることも重要です。
お仕事の内容、日常生活の習慣についても差し障りのない範囲でインタビューいたします。代謝に関する食事習慣や睡眠のパターンは、がんや痛みの進展に大きく関与していると考えているためです。
成長ホルモンの分泌やインスリンの過剰分泌(その分泌加速度)が、病状に大きく影響すると考え、これらに関連する生活習慣について具体的にアドバイスしていきます。
これらのインタビューの後、考えられる治療内容についてプレゼンテーションさせていただきます。

4.治療室にて

治療方法について話し合い、血管内治療(以下E.T.)をおこなうことに同意されると、日帰り治療ですがおおよそ4時間クリニックに滞在していただきます。点滴などの準備が済むと患者さんを治療室へご案内します。
治療室はいろんなジャンルの音楽に溢れ、天井にはハバナの海の写真を透す灯りがあり、すこし薄暗くなっており、リラックスしていただけると思います。これは、E.T.とともに光線力学治療(以下PDT)を併せて行う目的のためです。
カテーテルの病巣へのアクセスは、局所麻酔を行ったのち、左右いずれかの大腿動脈に極細Fr径の血管シース(鞘)を設置し、この中を3Frのガイディングカテーテルが目標の動脈まで導かれます。
患者さんは、ご自分の身体の動脈の中を、治療する部位までカテーテルが導かれるのを、モニターをみて確認することができます。目標の動脈にたどり着いて造影剤を注入し撮影すると、正常組織に比較して血管密度に富む、「腫瘍血管」と呼ばれる異常な血管網が見えてきます。正常な組織と比較して血流の違いがみられ、不規則、不整で、早い時期に静脈が現れてきます。これらの所見を実際にモニター上でお示しして、がんの様子をみていきます。ここまで診断のプロセスが終わると、いよいよ治療になります。遺伝子情報、腫瘍マーカーや細胞分裂マーカーである尿中Diacetylspermine値などのバイオマーカーから、患者さんお一人ごとにあらかじめ治療室内のクリーンベンチで調合した治療薬剤を、腫瘍栄養動脈から注入していきます。一例を挙げると、BRCAやATMなどDNA修復に関連する遺伝子の変異がみとめられる腫瘍では、白金製剤に感受性が高い可能性が考えられます。そこでこのような場合には、少量の白金製剤の化学療法剤を腫瘍栄養動脈へ局所投与するとともに、白金製剤が紫外線により色素として光増感作用も持つことから、紫外線の光動脈輸注をおこなうことで、活性酸素ROSによるApoptosis誘導効果を狙います。このことにより、有効に腫瘍血管密度の低減効果も期待できます。こうして、原発、臓器転移、リンパ節転移、骨転移などについて、腫瘍栄養動脈を順次撮影しつつ、治療を続けていきます。個々の例で治療に要する時間は様々ですが、おおむね2-3時間のうちに治療を終えます。
治療後は、おおよそ一時間、回復室で休んでいただきます。
安静時間の終了後、おこなった治療内容についてご説明し、併用した方がより効果的と考えられる経口の薬剤があれば、それらについて併用理由や副反応などのリスクについて、ご説明します。同意いただければ、これらを含め治療の経過をみる目的で、次回の再診日を予定いたします。

5.治療効果の評価と経過観察

がんや、3カ月以上続く慢性のいたみにより、局所に増えた異常血管を発見し整理し、正常化することで血液の渋滞をなくして組織に酸素が行き渡るようにします、組織の低酸素状態が改善すると、がん幹細胞はおとなしくなり眠ってくれます。痛んだ組織では神経の増殖が止まります。リンパ球の細胞表面のPD1抗原の抗体を局所にもちいれば、がんの血管が減って免疫が回復しがんが排除されます。そして不思議なことにその数十分の1の極少量のPD1抗体で、慢性のいたみのために異常に増えた細かい血管も綺麗に整理され、いたみが消えます。(2021年10月、発明「微小ナノ化薬剤とその利用」として特許第6956091号に登録)
長く続くいたみについても、免疫が働かないことが原因で微小異常血管が生じている可能性が逆説的に考えられます。